岡山県からUターン

安田 大輔さん

地域に育てられてきたので、まちづくり活動を通じて恩返しがしたいです。

 

 

出雲市大社町日御碕地区で生まれ育ち、高校卒業後に進学のため松江市で2年、岡山県津山市で2年暮らす。

その後、日御碕地区にUターン。福祉関係の企業に勤務する傍ら、ライフワークとして地域の若者有志で「ミサキどっとCome(コム)」という団体を立ち上げ、まちづくり活動を行っている。

 

 

生れ育った日御碕では、どんな日々を過ごされましたか?

 海が大好きだったので、しょっちゅう海で遊んでいましたね。他にも、山に探検に行くなど外で遊びまわっていました。小学校の同級生が自分を含め9人しかいなかったのですが、みんなとても仲が良かったです。

 中学、高校生時代も年の近い幼馴染で自然の中で遊んでいました。秘密基地づくりもしていましたよ。一般的には、秘密基地づくりって小学生時代ぐらいまでの遊びだと思いますが私たちは高校生ぐらいまでやっていました。雨漏りのしない屋根ができるなど、年を追うごとにだんだん高度な基地になっていきました(笑)

 

 

Uターンまでの経緯や、Uターン後の暮らしは?

 子どもの頃から周りに高齢者が多かったことや、身内に福祉関係の仕事をしている人がいたことから高校生時代に漠然と福祉の仕事に興味を持ちました。そのため、松江市にある福祉関係の専門学校に進学し2年後には岡山県津山市の大学に編入しました。大学では「福祉とまちづくり」を学ぶゼミだったため、まちづくりにも関心が沸き、いずれ日御碕に帰ったら地域のために何かやりたいという想いが芽生えていました。

 日御碕に帰ることは、もともと決めていました。地元が好きでしたし、地域の人たちとの人間関係もあったので。Uターンして1年目には学生時代に出会った妻と結婚し、今では子ども2人と母親・祖父母を合わせて7人で暮らしています。仕事は、福祉関係の会社に勤めています。

 

 本当は、日御碕に帰ってすぐにまちづくりの活動をしたかったのですが、高校の頃は地域の人と関わることが少なかったうえに、大学時代に地域を離れていたのでいきなりは無理だろうと考えました。そのため、消防団や青年団に入り活動することで地域とのつながりを取り戻していきました。

 

 

取り組んでおられる、まちづくり活動について教えてください。

 平成26年の10月、同世代の仲間数名で協力し「ミサキどっとCome(コム)」という団体を立ち上げました。団体名には、出身者に時々でも帰ってきてほしいという「comeback(カムバック)」、地域の高齢の方などに家に閉じこもらず外に出てほしいという「comeout(カムアウト)」、地域外に住む人にも積極的に日御碕に来てほしいという「comeon(カムオン)」の、3つの意味を込めました。特に、地域にいる人が楽しく元気で暮らせる地域を目指したいという想いがあります。地域にいる人が幸せだと、出身者もUターンしたいと思いやすいでしょうし、地域外から訪れた人の印象も良くなるはずです。

 メンバーはみんな本業を抱えているのでできることは限られているのですが、楽しみながらも色々な取り組みをしています。最初は、日御碕小学校が閉校になるのに合わせて「小学校ありがとう清掃」という活動を行いました。次に、小学校の閉校式の際に地元の人達から集めたメッセージを収めたDVDを上映しました。

 

 また、ブリの幼魚であるワカナの魚価が安く漁師さん達から困っているという声をよく聞くので、ワカナの新たな活用方法を模索し発信しようと「ぶりっ子しゃぶしゃぶ」のアイディアを考えました。ブリの子なので「ぶりっ子」です。それをしゃぶしゃぶにして、色々なたれにつけて食べる試食会をコミュニティセンターの方々にご協力いただきながら開催しました。地域の方をはじめ多くの人達にご参加いただき、盛り上がりましたよ。

 

 他にも、和布刈神事という伝統行事に合わせてフォトコンテストを開催するなど、幅広く取り組んでいます。

こうした活動は、地域の方々に応援していただいているなと感じます。「いいことをしているね。」などと声をかけていただくことも多いですし、金銭的なご支援をいただくこともあります。狭い地域だからこそ、地域の方々の地元愛は強いのかもしれませんし、地域外に出て暮らしている人にも地元のことを気にかけている人がたくさんいるように思います。

 

 

日御碕は子育ての環境としてはいかがですか?

 元々、子どもが生まれたら日御碕で育てたいという想いがありました。私自身、地域に育ててもらったという印象がります。休日など、親戚や近所の方の家によく遊びに行っていました。こうした人の繋がりがあることと、自然が近くにあるということが、子育て環境として素晴らしいと思っています。実際に子育てをしていると、子どもの数自体が少ないからか地域の方々にはとても可愛がってもらえています。

 自然の中で一緒に遊ぶこともありますよ。実は、今日この取材に来る前にも子どもと海辺を散歩していたのですが、海にタコが泳いでいたので私が海の中に入ってタコを捕まえると、子どもたちは大喜びでした。今夜はたこ焼きパーティーです(笑)。

 

 

これからに向けた抱負を聞かせていただけますか?

 私自身、子どもの頃から地域の方に育ててもらったお陰で今があります。まちづくりの活動を通じて、恩返しをしていきたいです。それに、同級生など地元出身者に時々でも帰ってきたいと思えるようなきっかけをつくっていきたいですし、実際に帰ってきやすいような環境づくりにも貢献していきたいですね。

 

 

写真・取材・文 NPO法人ふるさとつなぎ 代表 清水隆矢【市よりの委託先】

http://hurusatotunagi.jimdo.com/