UIターン者の声

愛知県からIターン

三品 知子さん

出雲平野を流れる斐伊川のほとり、田園地帯にある「たまちハウス」は静かな集落の中にある出雲式一軒家ゲストハウスです。床の間に縁側、窓の外には和風庭園、そして緑ゆたかな風景があります。こちらでは穏やかな出雲の風情を味わい、民芸窯元「出西窯」の見学や自然農の体験、観光散策しながらの写真講座など、ユニークな宿泊メニューを体験をすることができます。

本来の出雲の風情を味わってもらいたい

 

 出雲平野を流れる斐伊川のほとり、田園地帯にある「たまちハウス」は静かな集落の中にある出雲式一軒家のゲストハウスです。床の間に縁側、窓の外には和風庭園、そして緑ゆたかな風景があります。こちらでは穏やかな出雲の風情を味わい、民芸窯元「出西窯」の見学や自然農の体験、観光散策しながらの写真講座など、ユニークな宿泊メニューを体験することができます。

 

出雲に移住した経緯は?

 生まれは愛知県の県境、木曽川のほとりの集落です。そして今は斐伊川のほとりですね。

 大学進学で上京し、その後は東京でカメラマンと美術講師の仕事、2つの仕事をしていました。 そして3.11東日本大震災が起き、隣家の火事爆発が直接的なきっかけで首都圏を出ました。 福島の原発事故で自然の暮らしの大切さに目覚めました。

 

 3.11後、故郷に16年ぶりに戻ってからは、名古屋で震災移住者交流会を主催し、市民活動に邁進していました。そんなある日、身内が難病になりまして、今度は身内の病治しに奔走することになりました。治療のために行った奈良でご縁が出来て奈良に移り、そこで知り合った友人から出雲でコミュニティハウスの管理人をしないか、という話がきました。その数か月前に初めて出雲を訪れていて、こんなところに住めたらいいなぁ…と想っていましたので1年間の約束で話を引き受けました。

 その友人の知り合いがこの家の大家さんだったんです。

 

 撮影という仕事柄、多くの場所を訪れましたが、長期で海外を巡って海外から日本を想った時、もっとも心惹かれたのは出雲の風情でした。欧米の文化圏にしばらく身を置くと、先進国でありながら伝統的なものが残っている日本の貴さが身に沁みます。日本のなかでも特に出雲は昔ながらの良いものが風土にも人の心にも残っていると感じました。

 海外の友人たちに日本の良さを伝えるには、どこに住むのがいいかと考えたら答えはハッキリしていました。それで「出雲に帰ろう」と腹を決め、本格的にIターンしました。

 

出雲についての印象は?

 ヨーロッパの友人が出雲へ来た時、近所へ散歩に出掛けた後、泣きながら戻ってきたことがありました。聞くと、美しい景色に出会ったと。近所のおばあちゃんたちが丹精込めて小さな畑をされている眺めがとても美しい、と感動して涙が出たそうです。自分の国では見ることができない眺めだと言っていました。

 出雲に住んでいたら当たり前のことも、世界から見たら宝物なんですよ。

 

 出雲には、神様を身近に感じながら暮らす、昔ながらのあり方が受け継がれていて、本来の日本の素晴らしさが残っています。そして人と人との和を大事にする「相手を思いはかる心」があります。

 住んでみると冬の雷や風の強さには驚きましたが、山陰のしんとした静かな雰囲気、山の緑に、しみじみ美しさを感じます。出雲の人の芯の強いやさしさも本当に良いですね。

相手を想いはかる、出雲の方の人付き合いが私は好きです。個人を押さえすぎる部分もあるかとは思いますが、今の時代「相手を想いはかる心」のある文化は とても尊いと感じます。

 

「たまちハウス」でどんな体験ができますか?

 宿泊のほか民藝の器で知られる「出西窯」の見学体験や、散策・観光コースをめぐる写真講座「フォトレクチャー」などの体験ができます。フォトレクチャーでは旅の写真をぐっと魅力的に撮るちょっとしたコツなどをお伝えしています。

 ほかにも色々なワークショップや催しを企画しています。

 また坂本さんご夫妻が営む「みゆき農園」での自然農業体験もおつなぎしています。坂本さんはイセヒカリでの酒米づくりを通じて自然環境を守る取り組みをされている最先端の素敵な農家さんです。こちらの体験は自然に親しみたい方や、就農や半農半Xを目指す方におススメです。

 お食事は食養生に詳しい主婦の友人が担当し、身体が元氣になる野菜・雑穀料理をお出ししています。調味料からこだわって地元の良い食材を使っていますよ。
 

今後やってみたいことはありますか?

 今春から任意団体「母ごころを紡ぐ会」を立ち上げ、“真の母ごころを学び、わかちあう場”をテーマに月1回、女性の交流イベントを開催しています。また、こども美術教室の講師やカメラマンとしても活動しています。安来のNPO法人眞知子農園の眞知子さんとも仲良しで、眞知子さんの活動の記録撮影もさせて頂いています。

 私の出来ることで世の中のお役に立てて、楽しめることなら色々やりますね。

 もはや何が本業かわかりませんが、おかげさまで色んな方に助けて頂いて暮らしを紡いでいます。

 

 「たまちハウス」は観光のための安さが売りの宿ではありません。

 本当の出雲、本来の日本と出会って頂くためにお使い頂けたらと想っています。

 体験を通して出雲の文化や、出雲の方々の心を感じて頂ければ。

 

 今は「食養生」や「酵素断食」体験メニューなど、“自然とつながり、すこやかになる”新しい宿泊メニューも企画し、進めているところです。

 

 私の故郷も古い集落でしたが、時代とともに昔ながらの良さを失っていくのを見て育ちました。そして私はネイティブの出雲人ではありません。だからこそ、地元の方が氣づきにくい出雲の尊さ、素晴らしさをお伝えできるとも感じます。とはいえ、まだまだ地元の方に教えて頂くことばかり。教えて頂きながら、地元の方と旅行者とをおつなぎする役割ができたら嬉しいですね。

 

※「たまちハウス」をもっと詳しく知りたい方は、しまね田舎ツーリズム ポータルサイト「おいでよ!しまね」のホームページ、または「たまちハウス」Facebookページをご覧ください。

 

 たまちハウスFacebookページ

 https://www.facebook.com/tamachihouse/

 

 しまね田舎ツーリズム ポータルサイト「おいでよ!しまね」

 http://www.oideyo-shimane.jp/1180