UIターン者の声

兵庫県からUターン

熱田 糸帆さん

出雲市小山町生まれ。大学進学を機に東京へ。 卒業後は東京や神戸でIT関連の仕事を経験し、2014年にUターン。 2015年から出雲市駅から徒歩5分の場所に位置する元旅館を活用した宿泊施設「出雲ゲストハウス いとあん」を運営する。 ※ゲストハウスとは、素泊まりの宿で、主に1泊から数週間宿泊できる比較的安価な施設。

覚悟が決まっていたので、「大変なことも含めて楽しい」という気持ちで頑張れます。

 

出雲市小山町生まれ。大学進学を機に東京へ。

卒業後は東京や神戸でIT関連の仕事を経験し、2014年にUターン。

2015年から出雲市駅から徒歩5分の場所に位置する元旅館を活用した宿泊施設「出雲ゲストハウス いとあん」を運営する。

 

※ゲストハウスとは、素泊まりの宿で、主に1泊から数週間宿泊できる比較的安価な施設。

 

 

出雲を離れ、大都会で暮らしたご感想は?

 大都会は、人と出会いやすいなど良い面もありましたが、ずっと住み続けたいとは思いませんでした。台風ですぐ電車が止まり帰宅難民になるなど、「地震が直撃でもしたらとんでもないことになるのでは」と思ってしまいました。

 それに、年収や企業の知名度を比べ合うような、競争社会の原理が根強かったようにも思います。本当は「楽しんで生きているかどうか」ということが一番大事な尺度だと思うのですが、それがないままに特定の価値基準で競争させられているように感じました。

 

 

出雲でゲストハウスを始めようと思った理由は?

 元々は、ゲストハウスではなくてシェアハウスを始めようと思っていました。神戸ではシェアハウスに住んでいたのですが、そこでは入居者が得意分野を活かして助け合って、お金は少なくてもみんな楽しく豊かに暮らしていました。日本は高度経済成長も終わり、物質的にも飽和状態なので、今後は物やお金によって人は幸せになりにくいのではないでしょうか。しかし、シェアハウスのような形での幸せは無限だと思いました。この先、日本人が幸せになるためにはこういった形のものが増えることが大事だと考え、生まれ育った出雲でシェアハウスを運営しようと思いました。

 

 シェアハウスに適した物件を探す中で平成26年8月に友人から紹介してもらったのが、元々旅館として使われていた建物でした。とても気に入ったのですが、ここはシェアハウスよりもゲストハウスの方が適しているなと感じたのです。元旅館のため旅館業法や建築基準法のハードルがクリアされている点、駅や温泉も徒歩3分程度で行けるという立地条件などがその理由です。改装や、伊勢のゲストハウスでの修業を経て、2014年4月に「出雲ゲストハウス いとあん」としてオープンしました。

 

※シェアハウスとは、リビングや台所、浴室などを共有し、各住人の個室をプライベート空間 とする共同生活の様式。

 

 

ゲストハウスの利用者とはどんな交流がありますか?

 お客様は観光客の方が多いのですが、かなり積極的に出雲のことを紹介するようにしています。飲食店や温泉の情報はもちろん、お客様の好みに合わせて近隣の観光地も案内します。出雲大社だけに行くと物足りないと感じる人も多いようなので、周辺も含めたストーリーをお伝えし足を運んでもらいます。すると、周りきるには時間が足りないことに気づいて「また来ます」という人も多いですね。

 

 逆に、お客様側から出雲の魅力を教えてもらうこともあります。例えば、田んぼの風景などがいいと言われますが、出雲出身でそういった景色を見慣れている私からすると逆に新鮮ですね。外から見た出雲の良さが知れるのは良いことだと感じます。

 

出雲にUターンして良かったと思うことは?

 まず、体調がとてもよくなりました。以前はかゆみで眠れないほどアトピーが出ていたのに、今ではかなり良くなりました。空気が良かったのでしょうね。それ以外にも、慢性的な肩こりが改善するなど体調が良くなってきています。

 

 自然が近くにあり、気軽に自然に触れられるところも出雲の魅力ですね。山を登るのが好きで、東京や神戸にいたときは、しょっちゅう長野まで行っていました。出雲には自然が多いからわざわざ長野まで行く必要もないですね(笑)。川辺に行っても気持ちがいいし、山も海もすぐ近くにあります。

 

 

これから、やりたいことは?

 シェアハウスをやりたいという気持ちはまだありますね。他に、簡易的なカフェと観光案内所を兼ねたようなコミュニティスペースも運営したいです。いい空き物件が見つかればいいのですが。

 

出雲への移住を考える方へのメッセージをお願いします。

 移住にあたって大切なのは「覚悟」だと思います。よく「移住したいけど仕事がない」という人がいますが、覚悟さえ決まっていれば仕事を見つけることも、自分で創り出すこともできると思います。私は「何が何でも出雲に住んでやる」と決めていましたので、開業資金をためることも含めて仕事をつくる努力をすることができました。覚悟が決まっていれば、移住してから大変なことがあっても挫折しにくいでしょうし「大変なことも含めて楽しい」という気持ちで頑張れるものですよ!

 

 

 

写真・取材・文 NPO法人ふるさとつなぎ 代表 清水隆矢【市よりの委託先】

http://hurusatotunagi.jimdo.com/