UIターン者の声
大阪府からIターン
荒木 陽子さん
大阪府出身。大阪の大学を卒業後、リラクゼーションなどの仕事を経験。2008年、ボランティアで訪れた出雲市唐川町に惹かれるとともに地元の男性と出会い、2011年に結婚し移住。現在は育児をしながら、ヨガのインストラクターや子育て関連の講座を主宰するなど、出雲市内を中心に活動している。たくさんの人に愛情をもらいながら、子どもが育っていける環境です。
大阪府出身。大阪の大学を卒業後、リラクゼーションなどの仕事を経験。2008年、ボランティアで訪れた出雲市唐川町に惹かれるとともに地元の男性と出会い、2011年に結婚し移住。現在は育児をしながら、ヨガのインストラクターや子育て関連の講座を主宰するなど、出雲市内を中心に活動している。
大阪から出雲市唐川町に嫁がれた経緯は?
大阪では、とても忙しい社会人生活を送っていました。何のために働いているか考える暇も無いぐらい、とにかくがむしゃらに働いていましたね。そんなとき、学生時代から縁のあった国際ボランティア団体の主催する活動に参加しました。その内容は、唐川で毎年行われている「新茶まつり」を泊りがけでお手伝いするというものでした。この時に初めて唐川を訪れたのですが、景色の良さや人の温かさにとても魅力を感じました。
さらに、その活動では地元の方々との懇親会もあり、その場で現在の夫と出会いました。それから数年間、遠距離恋愛でした。その期間も、毎年「新茶まつり」のボランティアで唐川を訪れていたので地域のことを知ることができ、地元の方とも顔なじみになりました。そんなこともあり、いざ嫁ぐとなった時にも抵抗はほとんどなかったですね。
暮らしてみたご感想は?
唐川は、とても居心地がいいです。本当に来てよかったと思っています。人との距離が近いですが、面倒くさいというほどのことはないですね。
それに、出雲市全体で見ればUIターン者の人はたくさんいますので、すぐ友人ができましたし、その友人の主催するイベントに参加すればまた人の繋がりもできて…といった具合に友達が増えていきました。大阪にいた時よりも、人との関係は濃いように思います。例えば、私は出雲市内を中心にヨガのインストラクターをしたり子育て関連の講座を主宰したりしていますが、応援してくれる人がたくさんいます。
子育ての環境としてはいかがですか?
子育ての環境としても非常にいいですね。一番の魅力は、地域の方々に子供のことをとても可愛がってもらえることです。散歩をしているだけでも声をかけてもらえますし、色々な人と関わりながら子育てをすることができます。たくさんの人に愛情をもらいながら、子供が育っていける環境です。それは、大阪にいたら難しかったと思います。
また、施設や交通のことを考えると一見都会の方が便利に思えますが、大阪では子育て支援センターに行くだけでも電車やバスを乗り継ぐ必要があり、行きづらいです。一方で、こちらは車での移動が基本なので、気軽に通うことができます。
他にも、地域には神楽や獅子舞、盆踊りといった伝統的な文化があり、それらに親しみながら成長できることもいいですね。継承とまではいかなくても、こうした文化に身近にふれることができるのがいいなと思います。
自然豊かな環境に囲まれた暮らしはいかがですか?
子どもは、しょっちゅう虫や草花を採って遊んでいます。タケノコや柿など、食べ物が身近にあるのもいいですね。大阪だと普段食べ物は食卓や店に並んでいる状態でしか見ることがありませんが、ここではどんなところで採れるか、ということを子どもが学べます。
実は、私自身こうした場所での暮らしへの憧れもありました。社会人生活を経た20代後半ぐらいから「今のままの生き方でいいのかな?」と疑問を持つようになりました。例えば、いつ大きな災害などが起こるかわかりませんが、そうなったときは都会にいるよりも田舎の方が生きていきやすいだろうと考えていました。また、結婚についてはこれから2人で生活していく上でパートナーに「生きる力」を感じられることが強く安心感を持てます。
田舎に移住を考える子育て世代へのメッセージをお願いします。
私は、結婚し移住しましたので、他のIターンやUターンの方とは少し立場が違うかもしれません。言うならば“Yターン(嫁ターン)”といったところでしょうか。お嫁に来られる方であれ、それ以外の方であれ、移住した後は内に籠るのではなく積極的に地域に出て行ってほしいですね。私も、唐川の中外問わず色々な行事やイベント、ボランティアなどに顔を出しました。すると、地域の人たちも打ち解けてくれましたし、気の合う友人もできました。是非、一歩踏み出してみることをお勧めします!
写真・取材・文 NPO法人ふるさとつなぎ 代表 清水隆矢【市よりの委託先】