2024.09.30
お彼岸で見つけた山陰らしさ
8月の20日から出雲に越してきて、少し落ち着いてきた頃にお彼岸シーズンがやって来た。秋分の日を中日とした前後7日間をお彼岸とするらしく、スーパーや街中でもお彼岸ポスターが目に留まる機会が増えた。越してきたばかりで、移住前に住んでいた千葉までお墓参りをしに帰るのもなぁと思い、自分にとって「お彼岸」はどこか関係ないものだと思っていた。
そんな矢先、近所のあるパン屋さんがあんパンを土曜日のみ販売していることを知った。
その特別感から行ってはみたいが、あいにく仕事でいけないんだとぼやくと、「今ならお彼岸シーズンだから平日でもあんパンが買えるよ」と言われた。しかし、自分の中で「お彼岸」と「あんパン」がうまくイコールで結ばれなかった。お供え物といえば、果物、お菓子、お酒など、故人の好きなものというのが私の認識で、何の疑いもなくお供えもの=「あんパン」という地元の方の話に頭の中が「???」だらけであった。
一旦この件を持ち帰り、調べてみるとこれは山陰あるあるなんだそう。島根県、鳥取県、岡山県の一部に広がる風習らしい。山陰で「法事パン」と呼ばれるそれはお彼岸などのお供えものとして、また法事のお香典返しとして広まる山陰の一般常識らしいのだ。そもそも、パンではなく「あんこ餅」であったが法事の度にお餅をつくのが面倒ということから、手軽なパンに変わっていったのだそう。その前に、なぜあんこ餅?という疑問も抱くのだがこれはまた次の機会に…
今回はひょんなことから、山陰を知る機会が生まれた。暮らしていけば、もっと色んなことを知れると思うと今からとても楽しみである。どれも取りこぼさぬようアンテナをしっかり立てておかなきゃな。
それでは、また~