2025.03.24
ダルマさん
「今日はダルマになりそうだ」
そんな確信を抱きながら、海岸沿いに足を運んだ。
ダルマとは、水平線上で太陽が丸いダルマのように見える現象のこと。光が大気中で屈折することで起こるのだが、何度見ても不思議な光景。朝日で狙うときは、水平線に顔を出す太陽の位置を特定するのにアプリを頼るが、夕日の場合は見えているので狙いやすい。
ダルマが見れる条件がいくつかある。
・晴れ
・風が穏やか
・空が澄んでいる
空気が乾燥して澄んでいる冬や秋はダルマが見やすい。
この日は、風は穏やかで、空はすっきり晴れていた。
波の音が心地よい。太陽の高さが低くなるにつれ空の色がオレンジから赤へ変わっていく。少しの緊張感と期待を胸に、望遠レンズ越しにカメラのピントを合わせる。太陽が水平線に近づくその瞬間、もうひとつの太陽が海面から顔を出す。2つの太陽がくっつくと、大きなダルマが浮かび上がる。この神秘的な瞬間は、なかなか言葉では表現が難しい。
さらに、もし運が良ければ「グリーンフラッシュ」という現象にも出会えるかもしれない。太陽が完全に沈む直前、ほんの一瞬だけ、太陽の上部が緑色に輝く現象だ。過去に一度だけ拝むことができたので、この日も最後までシャッターを切ったが、残念ながら叶わず。いつか出雲の海でその瞬間を体験してみたい。
帰ろうかと東の空を見ると、月が昇りはじめていた。
地平線に近いところでは、レイリー散乱効果によって月は赤く染まって見える。最初は深い赤、そして徐々に色が変わり、巨大なタコ焼きが空に浮かぶ。
お腹すいたな。帰りにタコ焼き買って帰ろう。