出雲弁⑱
今回は、ビジネス編。
ビジネスメールでよく使う、「ご対応いただけると幸いです」。
全国どこでも通じる、いわば丁寧な正解のフレーズ。
しかし出雲ではこういう表現が多く使われる。
「ご対応いただけると喜びます」。
ぱっと見、ちょっとフランクに聞こえるかもしれない。でも、実はとても丁寧なお願いの言い方。出雲では、「〜してくれたら嬉しいです」の代わりに「喜びます」を使うことが多い。ここでいう「喜びます」は、感情の喜びというより「ありがたい」「助かる」といった、お願いと感謝やお礼の気持ちが込められた、とても柔らかい表現のように思う。
また、誤解しやすいこんな言い回しがある。
「この資料、なおしといて」
「なおす」=片付ける・しまう
出雲弁では、片付けておいて、という意味が、標準語では「なおす」=修正すると捉えがち。
資料を片付けてほしいだけなのに、赤ペン修正された資料が手元に戻ってきた、なんてこともあるかもしれない 笑
方言ではなく、標準語だと思って使っているひとが意外と多いようだ。検索してはじめて気付く面白さ。言葉もさることながら、イントネーションの抑揚もかなり独特なのだが、県外のお客様に電話対応しているときの、なんちゃって標準語に思わず笑みがこぼれる。