プリンIターン女子 会員No.129

2025.06.20

蔵カフェ

静かな通り沿いに、白く美しい蔵が佇んでいる。
「cafe naka蔵(なかくら)」

その建物は、100年以上前の米蔵をリノベーションされたのだとか。
開店前だというのに店の前には行列ができている。駐車場には県外ナンバーもチラホラみられ、人気の高さがうかがえる。

一歩中へ入ると、空気が一段やわらかくなるのがわかる。
高い天井に太い梁、木のぬくもりある温かな内装。ゆったりとジャズが流れ、まるで映画のワンシーンのよう。

席の選び方ひとつで、過ごし方が変わるのもこの店の魅力だ。
カウンターでは、店主が丁寧にハンドドリップする様子を眺めながら、コーヒーの香りに深呼吸。テーブル席では、椅子のきしむ音さえも心地よく、窓際のソファ席は、まるで小さな書斎のようで、ただ静かに過ごすための贅沢な場所だ。

料理がまた、心を打つ。
旬の野菜が、これでもかと美しく鮮やかに盛られたモーニングプレート。
目で見て、香りで感じて、口に運ぶたびに味の奥行きに驚かされる。正直野菜は苦手なのだが、ここのプレートは不思議と美味しくいただける。そして自家製のドレッシング。バランスが絶妙で、「この味、家でも楽しみたい」と思わず持ち帰りたくなる。
食後には、こだわりのハンドドリップコーヒーを一杯。豆の香ばしさと、柔らかな余韻。「まだ帰りたくないな」と思ってしまうが、次のお客様へはやく席を譲らねば、だ。


cafe naka蔵

出雲市今市町 中町689