プリンIターン女子 会員No.129

2025.02.17

目のお薬師さま

出雲に来てから、まだ出雲大社にお参りしていない。
「その土地の神さまにきちんと挨拶するのが礼儀だ」と曾祖母に教わったことがあり、次の休みこそはと決めていたのだが、この日、車は大社ではなく一畑薬師(いちばたやくし)へと向かう。「物事にはタイミングがある。今日はまだその日じゃないよ」と神さまに言われたことにしておこう 笑

一畑薬師は目のや病気や、子どもの成長を願う人々に信仰されている場所。地元では正式名称ではなく「お薬師さん」と呼ばれる方が多いように感じる。標高200メートルの一畑山山頂にあり、眼下に宍道湖を一望できる絶景スポットでもある。運がよければ雲海越しの大山も拝めるよと、帰りに立ち寄った参道のお蕎麦屋さんに写真をみせていただいたのだが、これはまた次回のブログに。

参道を進むとゲゲゲの鬼太郎の目玉親父が迎えてくれる。
ブロンズ像の台座には様々な言葉が刻まれ、親父殿がその言葉に合わせた動作をしているのが面白い。例えば「欲にころぶな」という言葉には、参道でお金を拾おうと転ぶ親父殿の姿があり、思わず笑ってしまう。また、十六羅漢像があるお寺は数あれど、ここお薬師さんではそれぞれの羅漢像に詳細な説明がある。「天才バカボン」の「レレレのおじさん」のモデルとなった強面の羅漢像に出会い、思わず「へーーーー!!!」

そして心揺さぶられる場所がもうひとつ。
八万四千仏(はちまんしせんぶつ)。
おびただしい数の仏像が整然と並ぶ光景は圧倒される。それぞれ奉納されたもので祈りが込められている。仏像のサイズは、数メートルのイメージをもっていたが、実際には約20センチくらい。ギャップに驚きながらも、そのスケールと圧倒的な存在感に引き込まれる。

この日、本堂では涅槃図が公開されていて、ちょうど読経の最中だった。曾祖母が信仰心の深い人だったこともあり、幼少期に聞いた読経の音が蘇り、心が落ち着くような不思議な感覚に包まれる。『オンコロコロ センダリ マトウギソワカ』一畑薬師の真言。これを唱えながら本堂を時計回りに100回まわると、心が清められるのだそう。

最近では、寺院でもデジタル決済が導入され、便利さに驚かされる。
お賽銭やおみくじ、絵馬の購入がPayPay対応になっていて、現金を持ち歩くことが少なくなった今、デジタル決済の進化を実感する。お金のやり取りが簡単になり、気軽に参拝できる時代が到来したのだなと感じる。

一畑薬師は地元の人々に深く愛されている場所で、特に目の病気を治す力があると言われている。絵馬に「目が良くなりますように」と願いを込め帰路についた。ここは、訪れるすべての人々に癒しと力を与えてくれる、大切な場所だ。